今回の宿は幸いにも朝食付きなのは有り難かった。
1日3食、食パンだけはあまりにも味気無さ過ぎる。
ホテルの1階がレストランになっているので
エレベーターに乗って移動する。
レストランには屈強な身体をした男性が1人いて
こちらを見てから笑顔で話しかけてきた。
「いらっしゃいませ。朝食ですね。飲み物は何にしますか?」
好印象の爽やかな青年で朝から気持ちよく食事を迎える事が出来た。

東南アジアとは料理はやっぱり異なり、なんだか新鮮。
モルディブは中東と呼べるのか微妙な位置だけど
料理はどこかインドっぽくて中東らしさを伺える。
何よりも温かい料理は嬉しいね。

いくら節約の為とはいえ冷たい食パンだけを食べていたら
心は荒んでくる。せめて朝食くらいはちゃんとした料理を食べよう。

お茶を頂いて一息つくとお出かけの準備をする。
今日は唯一のフリーの日。
滞在期間は3日間と言えども明日は移動日なので
実質、観光日は今日だけといっても良い。
そうなると有意義に時間を使わないとならない。
今日の目的地はフルマーレ島。
モルディブ空港があった場所だが
同じ島内でも少し離れた場所に
リゾート地と呼べるビーチがあるらしい。
そこへ行ってみようと思う。

行き方は簡単で来る時に利用したフェリーを利用すれば良いだけ。
もっとも空港からは離れているので
フルマーレ本土行きのフェリーに乗らなければならないわけだが。
来た時と違い重い荷物はかついでないからフェリー乗り場までは
快適に散歩できた。やっぱり15キロの重りを背負っているか、いないかは
同じ移動でも全然違う。

フェリーは行き先が違っても片道たったの1ドル。
これが本当に嬉しい。もしフェリーも馬鹿高いなら
きっとマレ島内を観光してモルディブ滞在は終わっていたからだ。
フェリーに乗り20分くらい、来た時のように
綺麗な海を眺めながらフルマーレへ着くのを待つ。

正直なところ、これだけで十分満たされている自分がいる。
そうこうしているうちにフルマーレに到着。
フェリー乗り場のスタッフに帰りの便を聞くと
「次のマレ行きは13時で最終便は14時だから気をつけなよ」って。
現在の時刻は11:30。どちらに帰るにしても十分な時間はある。
余談になるけどモルディブの人が話す英語は非常に聞き取りやすい。
これは僕の英会話力が上がったのじゃなくて。
片言の英語を話す外国人の対応に慣れているからだ。
日本人にとって観光はしやすい国だと思うポイントの一つ。

フルマーレはマレ島のようにビルとかは少なくて道の車幅も広い。
なによりギャップがあるのは歩いている人が少ないのだ。
どこの路地に入っても人がウジャウジャいるマレとは真逆で
中心地以外はほとんど人は見かけない。
都会が苦手な自分にとってはフルマーレのほうがむいている。
ただホテルは非常に気に入っているから
こちらに滞在すれば良かったとは思わないけどね。

公園の中を通りビーチのある場所を目指す。
なんだか穏やかな場所で気持ちが和んだ。
ビーチの前はホテルが並んでいるが
宿泊客などは見られない。
まだ3月だからきっとオフシーズンなんだろうね。
砂浜に入りビーチを見た瞬間
「うわー!!」って思わず叫んだ。

辺り一面に見える海は宝石のように綺麗だった。
「この景色を見たくて旅に出たのかもな」
思わずそう呟いてしまっていた。
自然が元々好きな自分には感動するしかない
言葉に表せない気分だった。

周りには誰もいない。
こんな景色を独り占めしている贅沢な多幸感で満たされていく。
幸いな事に近くに椅子やソファー、ハンモックは
山のようにあり過ごすには快適だった。

色んな椅子やハンモックを試しながら
景色を楽しんでいた。
フェリー乗り場まで徒歩30分ほどなので
13時のフェリーに乗ろうと思えば十分に間に合った。
だけど少しでも長くこの場所にいたいと思い
結局、最終便でマレへ帰る事にする。
特にマリンスポーツしたいわけでも
高価な食事をビーチでしたいわけでもない。
ペットボトルに入った水があれば十分。
そんな幸せを感じられモルディブに来てよかったなあと
思える1日でした。