長かった列車の旅を終えてどうにか
ルアンパバーンの駅に到着しました。
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列車内があまりにも劣悪な環境だったので
疲労感はあるが、
それでも無事に着いた喜びと
新しい景色を見たら少しは心が癒えた気がする。
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と言ってもまだ駅は街の中心から離れた郊外なので
どうやって行くか考えないといけない。
駅を出て少し歩いていると
「乗っていく?」
とおじさんに声をかけられた。
どうやら一緒に駅に降りた観光客が
バンに乗っていて、まだスペースがある様子。
金額を聞くと300円位で前払いだから
ぼったくりでもなさそうな安心して乗った。
助手席に乗って車で揺られながら移動中、
周りの景気を見ると本当に田舎なんだなあって思った。
30分位してルアンパバーンの街に到着した。
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世界遺産の街、この街に来るのを
楽しみにしていました。
あまり日本では知られていませんが
僕は旅系の動画を見てくるのを楽しみにしていたから
気持ちは盛り上がりました。
南国のような景色と暑さはビエンチャンとは
同じラオスでも雰囲気は全然違いました。
10日間ここで過ごすんだなあと思いつつ
とりあえずホステルを探しながら
街を見て周りました。
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ホステルに到着すると
宿主のおじさんが笑顔で迎えてくれた。
ホテル代を払い部屋を案内してくれる。
ここもドミトリーだが
以前と違い4人部屋、
但しロッカーも無く
部屋に共同のトイレとシャワーのみ。
きっと誰かがシャワーを使っていたら
トイレは使えないんだろう。
それに備え付けはタオルはおろか
シャンプーも石鹸も何もない。
普通の旅人なら不満を言うところだけど、
そもそもドミトリーは格安のバックパッカー向けの宿。
誰も文句は言わないだろうし、僕も特に不満はなかった。
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それよりも4人部屋にしたら広いスペースで
広くカバンを開けれそうなのが嬉しかった。
おじさんは色々と部屋の過ごし方だけでなく
洗濯物を干す場所や
朝食を食べる場所や時間、
晩ご飯は月、水、金は
こちらでご馳走するから19時から参加してね
と言われた。
とても人懐っこく親切な人だ。
それと僕が9泊する事にとても驚いていた。
どうやら2泊か3泊の人がほとんどで
一週間以上、滞在する人はまずいないらしい。
ちょっとこの言葉に嫌な予感はしたが
とりあえず、まだルアンパバーンに到着したばかり
荷物を置いて街を探索したいと思う。
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ルアンパバーンの街ははっきり言って田舎だが
治安は悪そうな雰囲気は無くて
人もそれなりに多い。
欧米人の観光客をよく見かけるから
観光で賑わっているんだろうなあ。
手編みのバッグや服などの土産をよく見かけた。
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とりあえず食事を食べようと
安そうなレストランに入ってみた。
普通に美味しいし安い
一品200円くらいだから
一食600円もあればビールも飲めて
満腹になった。
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もちろんこれは僕が安そうな店を選んでいるからなのだけど
バンコクは外食はどこも結構、高く感じたから
ラオスの物価の安さに感謝である。
食べてから散歩を続け、宿へ戻った。
シャワーを浴びてから
荷物を整頓してベッドで休んでいたら
外が賑やかになる。
そう!今日は金曜日だから
夕食があるのだ。
19時になると
外のテーブルを囲むように
宿泊者が集まった。
10名くらいいるだろうか?
殆ど欧米人で観光客のようである。
1人だけ中国人の女性がいて
話しかけてきた。
どうやら彼女は日本に何回か訪れた事があるらしく
日本語は話せないけど日本の事は詳しい。
特に関西が好きなようで阪神電鉄や甲子園、
西宮など地名も知っていた。
念の為に宝塚歌劇を知っているか確認すると
TAKARAZUKAという単語は分からなかったが
女性が男装をして踊ったり歌ったりしていると話すと
「あっ!?それ知ってる!!宝塚って言うんだね」
と言ってくれた。彼女がスマホで見せてくれたのは
当時、公演していた宙組であり
まさかキキちゃんがラオスで見れた。
ちょっと嬉しい。
話しているとテーブルに食材が備えられた。
ライスとカレーらしき料理で
自分で好きな量を盛る形式らしい。
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早速、渡されたお皿に盛り付けて頂く。
そんなに辛くもなく普通に美味しい。
ここは朝食付きで1800円という格安ホステル。
たまにとは言え夕飯がタダで頂けるのは
なんとも嬉しい話である。
きっと経営しているおじさんが
こういうお祭りみたいなイベントが好きなんだろう。
食事が始まると皆で話が始まる。
周りがヨーロッパ人ばかりで
最初は受け答えをしながらやり取りをするが
次第に会話のテンポが悪くなる。
それもそのはず、元々僕はコミュ力は高く
ましてや英語も流暢とは言えない。
話す時はある程度、相手が理解ないと会話は成り立たない。
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そうしているうちに会話はヨーロッパ人だけで
盛り上がり、笑顔で傾聴する形になった。
30分くらいしてカレーも食べ終わり
さりげなく、その場を立ち
部屋へと戻っていった。
楽しくもあり、寂しくもある空間だった。
前のドミトリーに比べると
人との距離が近いのは
嬉しくもあり、戸惑いもあった。
10日間どんな生活になるんだろうなあと思いつつ
ベッドで過ごしながら考え寝ました。