ビエンチャンで2日間、ボーッと過ごした僕は
次の都市ルアンパバーンに向かう事にしました。
列車で向かうのだがビエンチャン駅は
街から離れていて10キロ以上あるので
とても荷物を抱えて行ける距離ではない。
前の日にホテルにお願いしておき
早朝にタクシーが迎えに来てくれるように手配して頂いた。
ホテルの男性スタッフは本当に優しくて仕事ができる。
予約した時間は6時。残念ながら今日はホテルの朝食は食べれない。無念。
部屋が真っ暗な中、ロッカーからそーっと荷物を取り出し部屋を出る。
忘れ物なければ良いが。
夜明けもまだなようで暗い中タクシーが来るのを待つ。
しかしタクシーは全く来る気配がない。
本当に予約してくれたのか心配になりつつも
海外あるあるだよなあと思い
来るのを信じて待ちました。
6時30分 ようやくトゥクトゥクのような三輪車が
ホテルの前を停まった。これが呼んだタクシーなのかな?と思い
乗っている女性に確認するとそうらしい。
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遅れてきたのを謝る素振りは無く
前払いらしくお金を請求してくる。
約900円。ちょうどなくて多めに約1000円渡したら
お釣りをくれる様子が無い。
暗い中のやり取りだし、遅れた分
早く駅に向かってほしいから追求はしないで乗り込んだ。
おばちゃんの運転は荒く座席に乗せていたバッグが跳ね上がる。
落ちたら大変なので手でしっかりと抑えながら乗る事にした。
道は分かっているようなので
40分くらいしたら駅に到着した。
時間は7時過ぎ、電車は8:40発だから
まだまだ余裕はある。
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立派な駅なのだが、入り口前に行列が出来ていて
何やら様子がおかしい。
とりあえず僕も中に入らなければならないから
列に並ぶ事にした。
並んでからすぐに理由が分かった。
駅に入る為の乗車券の確認や荷物のチェックをしているのだ。
軍人みたいな駅員?にチケットを催促されて慌てて携帯内の
Eチケットを見せる。QRコードを読み取って
「行っても良い」と合図される。
余談だけど、この時に首からかけていた
スマホの紐を駅員にスマホを見せる為に外した時に
落としてしまったようで紛失している。
後から検問があった場所まで戻って確認するが「知らない、戻れない」と
首を振られてしまった。
クソ、失敗した!
話戻して次は荷物チェックのようだ。
空港のようにバッグなどを全て外し
機械へ通す。
僕自身もスタッフが何か持っていないか
台の上に立たされチェックされました。
機械を通した荷物はベルトコンベアーで出てくるが
そのまま地べたに落ちてきて
外の人の荷物がそのまま上に落ちてくる。
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とんでもない駅だと思い腹は立ったが
とにかく駅内に入れてよかった。
ここは本当に電車の駅なのかと思うくらい異様な雰囲気。
軍事施設か何かのような。
後で調べたらラオス中国鉄道は
ラオスと中国間を走っているが、
中国がラオスに無理やり鉄道会社を買わせて
駅やレール、鉄道を造り
約何千億円という借金をさせたらしい。
ラオスはまだ借金を払っている最中だとか。
なので実質ここは中国みたいなモノなのである。
中国らしい酷いエピソードだ。
幸い駅内に売店はあったので
列車に乗り前に腹ごしらえ。
パンを購入して待ち合いの場所で食べながら
発車の時間を待つ。
大きな電光掲示板があり
ルアンパバーン行きのチェックインになるのを待つ。
8時になると改札口にすごい人の列が出来た!
これ全員が乗るの?と驚きつつ
僕もその列に並ぶ、
暫くすると列が動き出し
改札口に人が入っていった。
僕も改札にORコードの切符を見せて
入っていき人の列についていった。
8:30に列車が到着する。
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これが本当にルアンパバーン駅に向かう列車なのか
列車から降りてきたスタッフに確認すると
そうだと言う。
ネットで見ていた写真とは全く異なり
列車はボロい。外見も内装も。
どの辺りが新幹線と同じ品質なのか聞きたい。
とりあえず列車に乗り適当に座ると
席に番号が書いてある!?
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もしかして指定席なのかと思い
外に出て自分の車両を探すが分からない。
列車はボロいくせにとにかく長い。
30車両くらいはあるんじゃないのか?
どの車両も番号はないから
駅員に聞くと「向こう」と指を指す。
どの辺りかわからないから暫く歩いてから
また別のスタッフに聞くと
「まだ先」と言う。
こういうやり取りをしながら
どうにか自分の車両を見つけ
番号のある席を見つけると
どうやら5人席のようで他の4人は既に座っており
僕は少し空いているスペースに座る。
とても窮屈だ。
バッグを置こうにも置くスペースが無くて
人が通る通路に置く形で荷物を自分の足の間に挟むようにして置いた。
正直なところ、コレは4人席なのじゃないだろうか?
無理やり僕が座っている形になり通路から体もバッグもはみ出していて
人が通る度に邪魔になっていてバッグや体を動かす。
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他に座っている人のスーツケースも近くにあり狭いなんてもんじゃない。
想像以上に最悪な列車だ。ネットで聞いていた話と全く違う。
この列車に乗るのを楽しみにしていた自分が情けない。
帰りも乗らなければならないなんて考えたら
ゾッとする状況だった。
とにかく3時間近い列車の旅。
どうにか持ち堪えるしかなさそうだ。
トイレも行けるような状況じゃないし
水分は控えたい。パンは先に食べておいてよかった。
ここで食べるのは不可能だ。と言うより食べたくない。
悪夢のような状況で列車は何も放送や合図もなく出発する。
さようならビエンチャン。暫しのお別れだ。
この分ルアンパバーンはきっと素敵な場所なんだろうと
期待に望みをかけて今は耐えるしかない。
乗っている間はとにかく無の境地だ。
黙って座っているか、スマホ見ているかしかない。
WIFIなんて高度な物がこの列車にはあるはずもなく
SIMカードでネットを見る。
しかしトンネルも多くて圏外になりがちだから諦めた。
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何が新幹線だ!地方の鈍行列車の方が遥かに乗り心地が良いわ!!
何やら叫んでいる中国人の団体、
何故か出来上がったラーメンの器を運ぶスタッフ。
車酔いしたのか近くのトイレで吐いているオバちゃん。
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もうカオスとしか言いようがない。
何よりこの列車、汚いし
客が気持ちよく乗るような造りになっていないんだよね。
とにかく目的地に運べば良いって
雰囲気がよく伝わってくる。
物か何かとしか見ていない。
ああ、飛行機でバンコクからルアンパバーンまで
行けばよかったと思っても後の祭り。
地獄のラオス中国鉄道は
僕にとって忘れられない列車になりました。
絶対に乗ったらダメだよ!!