昨夜は帰ってからシャワーを浴びてすぐに寝た。
結局ネット環境が整わず何も解決しなかった事で
疲労がドッと出てしまい朝まで爆睡してしまう結果に。
久しぶりの個室のホテルという事もあり
安心して熟睡したのもあるだろう。
そういえば朝食付きだった。
食堂へ行ってみよう。
受付には青年とそのお母さんらしい2人がいる。
青年は相変わらず愛想が良く
「おはよう!よく寝れた?朝ごはんだよね。
すぐに準備するから」
と笑顔で来て肩を組んでくる。
やたらスキンシップが多いから
日本で店員が客にやれば
同性と言えども完全にセクハラなレベル。
間違いなくクレームになるだろう。
ヨーロッパの慣習を知っているので
僕は特に気にならないしハグされても
特に嫌悪感はないし、ただ人懐っこい子だなあと思うだけ。
食堂で待っているのも僕1人でそういえば
昨夜から他に客は見た事は無い。
宿泊客は僕の他にいるんだろうか?
なんだか貸切っているような贅沢な気分を味わえる。

食事は簡素なものだけど
なんだかトルコっぽくていいよね。
ヨーロッパの朝食は日本のように火を用いた食事をする国は少ない。
せいぜいパンを焼くだけ。
中東からヨーロッパに近づいたのは
食事だけでも文化が異なりよく分かる。

オリーブもいかにもヨーロッパらしい。
「パンは遠慮なくお替りしてね」
と青年に言われたので遠慮なくお替りをする。
食事後にお母さんだと思われる女性に
「サンキュー」
とお礼を言うが笑ってこちらに頭を下げた。
どうやら母親のほうは英語が話せないらしい。
こういう時は笑顔で返せばいいと思っている。
お腹いっぱいになったので今日は何しようか考えよう。
やっぱり昨日の店にもう一度行くべきだと思った。
ホテルの部屋でどうにかSIMカードが使えないか
試してみたけどやっぱり使えない。
昨日の様子だと返金はしてくれなさそうなので
せめてどうにかして使えるように再度
お願いしてみよう。
拙い英語で上手く伝わるか分からないし
絶対に昨日の男は嫌がるだろうが
とにかくやれる事はやってみようと思う。
店に行くと男は僕に気づいて奥へ行ってしまった。
完全に避けられている。まあ当然か。
他に対応してくれそうなスタッフを探すと
昨日はいなかった中年の男性がいた。
ガタイが良い感じで話しやすそうな男に
僕は話しかけ昨日の一連の流れを離した。
男は嫌な表情もしないけど謝罪する素振りはなく
ただ原因を調べようと僕のスマホを確認し始めた。
僕の拙い英語で状況が伝わったのか不安になり
話しかけてみると男は笑いながら
「ちょっと今調べているから待ってな」
と言われた。この感じは覚えがある。
そうだ!ベトナムのホーチミンで国際電話を
するのにトラブった時にショップの店員さんが
親切に接してくれた時と同じ感じだ。
僕は男に任せる事にして距離を置いて
黙って椅子に座り待つ事にした。
これでダメなら、しょうがないから
他の店で買い替える事にしよう。
30分位すると男が話しかけてきて
「使えるようになったよ!」
と言ってきた。驚きながらスマホを返してもらうと
画面上にアンテナのマークが付いていて
本当に電波が届いている。
ネットが通じるか確認すると本当に使えていて
問題がないようだ。
正直なところダメもとでお願いしていたのに
使えるようになって本当に嬉しい。
何度も男に「ありがとう」と伝えてお礼を言った。
男はずっと笑顔でいてくれた。
昨日、対応した男はこちらに気づいているのか
分からないけど、奥で知らないような素振りをしており
こちらを見る様子はなかった。
なんでこんなに対応が違うんだろう?
とにかく余計な出費もなく、
ようやくネットが使えるようになり
喜びながら店を飛び出た。
そうなると、明日にはアンタルヤを発つから
観光を楽しまなくちゃならない。

とりあえず食事をする事にした。
アンタルヤに来る前から
行ってみたかったレストランがある。
youtubeの動画で見たレストランで安くて美味しいと
有名な店だ。ようやく店の場所も調べれるから
検索すると思ったよりも近くにあるから
行ってみる事にする。

席は自由に座ってもいいらしくて
メニューは自由に選べるようだ。
ターキー語で記載されていて
何が書いてあるか分からない。

和訳するとスープだと分かる物もあれば
全く意味不明なのもある。
注文をしようと店員を呼ぶと紙を渡された。
なるほど、サイゼリヤみたいに注文番号を
記載する形式なのか。
内容はよく分からないが安そうな物を
適当に並べて店員に渡すと
「豆ばっかりじゃないか」
と店員の男は大笑いし始めた。
そうなのか?注文しておきながら全く分からなかった。

「着いてこい」と言うような素振りの店員に着いていくと
ショーケースにズラッと並ぶ食材がある。
肉屋を思い出すような光景だが
これなら注文したい物を指さして選べるから
自分にでも出来そうだ!
早速3つか4つほど美味しそうな物を選び
同行していた店員にお願いをした。
それと他にペットボトルの水は有料らしいので
それも頼み前払いで会計を済ませる事に。
合計で1200円。
出来れば1000円以内で終わらせたかったけど
今のトルコでこれ以上安く済ませるのは難しいようだ。
意外と高いトルコの物価に面喰っている。
昼兼夕飯で済ませる事にする。

席に座るとパンが届く。
こちらは無料で食べ放題のようだ。
ホテルの朝食もだったが
こういう文化がトルコにはあるのかもしれない。
結構有難いと思う。ようやく届いた食事。
言い方悪いが今までしてきた外食で一番
食事らしい食事だ。

普通に美味い!この旅で恐らく一番美味しいだろう。
悪いがこの旅は貧乏旅行なので
ロクな物は食べていない。
美味しいという基準は「普通に食べれる」という
ハードルの低さだ。
ごく稀に空港のプライオリティパスで利用できる
ラウンジが唯一のご馳走なので
こうやって店に入り美味しかった経験はなかった。
さすがトルコ料理は世界三大料理に数えられるわけだなあ。
美味い。アンタルヤで嚙み締めた苦労が現れるようだ。
短い滞在期間だけどアンタルヤに滞在中はここで食事しよう。
ようやくお腹もいっぱいになったところで
アンタルヤ観光をようやくしていきたい。

