サントリーニ空港周辺は殺風景な草原が続く場所だった。
まずはバスでバスターミナルへ向かわなければならない。そこを拠点として島内を移動するのが基本の交通手段らしい。
サントリーニの主要な地区はイアとフィラの2か所だ。
よくガイドブックで見かける青い屋根の建物が並ぶ景色はイア地区にある。まずはそこを目指してみよう。
バスは日本でもよく見かけるような立派な高速バスで、中も綺麗だった。
さすが観光客で賑わうサントリーニだけあって、こういう部分にはしっかり力が入っている。
バスに乗ろうとするとおじさんが集金にやってきた。1回360円、手頃な値段だ。小さな切符を受け取って中に入る。
ヨーロッパを巡るには小銭がとても貴重になる。
クレジットカードでどうにかなる場所もあるが、バスやトイレなど現金支払いが多い場面では小銭が活躍する。
大きな現金を持ち歩く場面はそう多くないが、小銭は多めに持っておいて困ることはない。
小銭入れをサブの財布として携帯し、メインの財布とクレカはウエストポーチに入れてズボンの中に収納しておくと、防犯にもなるし行動しやすい。
バスは快適そのもので、早朝もあってか乗客も少なくゆったりしていた。
サントリーニといえば青い屋根の建物が並ぶイメージが強いが、実はそれはイア地区の数か所に限られた光景らしい。
青い屋根の建物はギリシャ正教の教会で、青はその象徴とされている。
白と青のコントラストはギリシャの国旗を思わせるとも言われている。
つまりあの絵葉書のような景色は、教会という特定の建物が作り出している光景なのだ。
草原にポツポツと見える建物は白一色だ。むしろ白に統一されていると言った方が正しい。
京都なんかでも景観を統一している地域があるが、あんな感じだろうかと思いながら眺めていた。
ただこちらは本当に徹底されていて、白以外は見当たらない。
この白い外壁は石灰で塗装されたもので、夏の強い日差しで室内が高温になることを防ぐ役割を持っている。
雨水を生活用水として利用している島民は、雨水の殺菌にも石灰を使う。
さらに歴史的にペストが流行した時代に「白は衛生的である」と考えられていたことも、ギリシャで白い建物が広まった理由とされている。
サントリーニの住民は外壁を白く保つため、毎年塗り替えることを義務付けられているとも言われている。
この「白塗り込め作戦」はかなり徹底されていて、塀や階段の手すり、バス停のベンチに至るまで人工物はほぼ白く塗り込められている。
後ほどの話になるが、定期的に白いペンキが塗り直されているため、街中には塗りたての場所が多く注意が必要だった。
これはサントリーニに限らずミロス島でも同じだった。訪れる人は服や肌に白いペンキが付着しないよう気をつけてほしい。
30分ほどバスが走るとバスターミナルに到着した。次のイア行きのバスが来るまで50分ほどあるらしい。せっかくなので周辺を探索しよう。
ちょうどお腹も空いている。多分イア地区は高いオシャレなレストランばかりだろう。昼ご飯はここフィラ地区で買っておかないと、食べる場所がない気がした。
スーパーを探したが時間はまだ朝8時前と早く、どこも閉まっている。
やっているのはバスターミナルにある小さな売店だけだ。売っているのは世界中で見かけるプリングルスとポテトチップス。
さすがに最終手段としておきたいから、1リットルの水だけ250円で購入した。それでも十分高い。
どこかお店をやっていないか探していると、ベーカリーを発見した。ラッキーだ。ここで食事を買おう。
フィラ地区にあるパン屋でパンを購入。1個500円位で3つで1500円だった。
観光地のサントリーニなら多分お手頃な値段なはず?どれも美味しかったから十分満足だった。
店員さんに伺って店内の撮影もさせてもらった。ギリシャの店の人は親切な人が多いイメージがある。
店のテラスで一つ食べて、残りは昼食用に持っておく。これでイア地区での食事問題は解決だ。
バスに乗り込んでイアへ向かう。30分ほど走って到着した瞬間、思わず声が出た。

