介護の仕事は思ったよりも簡単に見つかった。
学校にある求人の中から選び
学校側から連絡してもらって一緒に現地の施設へ面接に行き
採用の連絡あり、とんとん拍子で職場が決定。
何も手応えも感じない程、呆気なく話が進む。
介護の世界って本当に人手不足なんだろうなあ。
そして話によると、なんと紹介した職場で
1年間、続けたら初心者研修のお金を返金してくれるのだそうだ!
元から介護福祉士を取得する為に、よっぽど酷い環境で無ければ
3年間辞めるつもりはなかったし、思ってもいない話で嬉しい。
こうして僕は老人ホームで働く事となった。
慣れない仕事だから最初は覚える事も多く
自分より一回り年下の大学を出たばかりの新卒の人にも
頭を下げて教えてもらわないといけない。
中途採用なんだから、それは余計なプライドだと思って
仕事を覚えるのに専念する。
やってみて思ったのは介護は3Kと呼ばれる激務と聞いていたが
オムツ交換などや排泄介助は慣れてしまえば
なんとも思わなくなった。
売上などノルマは意識しなくていいし、人の管理もしなくていい。
とにかく自分の仕事さえ無難に終わらせればいいのは
僕にとって新鮮であり嬉しかった。
飲食店の店長時代のように売り上げが達成していなければ
上司から罵声の電話がかかってくる。
バイトが辞めてしまいシフト管理に頭を悩ませる事がないのは
本当に有難い話だ。講習会があったり業務が残ったりして1、2時間
残業する時もあるけど以前のように15時間とか
ぶっ通しで働く事なんてなくて、家に帰ってからの自分の時間があるし
休日に電話が職場からかかってくる事なんてない。
当たり前のサラリーマン生活だったが、
ブラック企業の感覚が続いていたから
なんて幸せなんだと感動してしまう。
言ってしまえば当然の生活なんだけど
あまりにも過酷な環境に長年、身を置いていたのだと
介護の世界に飛び込んでよく分かった。
もっとも介護業界もブラック気質な施設も多いようなので、
僕は運が良かっただけかもしれない。
こういう感じで3年間色々な事はあったけど
無事に介護の仕事はやり遂げる事は出来た。
元々、介護福祉士を取得する為に
社員として働いていたから迷う事なく
施設の退職を願い出る。
電車で通勤しながら週5日働く生活も少しウンザリしてきたし
そろそろ旅行もしたいという願望も強くなってくる。
そういえばずっと遠出をしていないんだった。
介護福祉士を取得してから
どこか国内を旅行しながら何をするか決めていこう。

