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アテネ再び——20年後の再訪

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案の定、エーゲ航空の添乗員の対応は雑だった。でも1時間半のフライト、気にしないでもいい。

実はギリシャのアテネは20年前、ヨーロッパを巡っていた時に訪れた事がある。今回は2回目だ。

当時は南国のような雰囲気と遺跡が織りなす独特の空気感が好きだった。

宿も個室で4,000円ほどと安くて助かった記憶がある。20年後の今はどうなっているだろう。

ここでギリシャという国について少し触れておきたい。

ギリシャはEU加盟国でユーロを使用しているが、西欧の豊かな国々とは少し事情が違う。

2010年代に深刻な財政危機に陥り、2012年には失業率が24%を超えるほど悪化した。

EUとIMFから金融支援を受ける代わりに、年金カットや増税などの厳しい緊縮財政を強いられ、国民生活は大きく疲弊した。

現在は立ち直りつつあるとはいえ、街を歩くと西欧の豊かさとは少し異なる空気が漂っている。

観光業が主要産業のひとつで、エーゲ海の離島やアクロポリスを目当てに世界中から旅行者が訪れるが、

その経済的な恩恵が国全体に行き渡っているかといえば疑問が残る。

EUの中の優等生とは言えないが、それがまたギリシャらしい人間的な温かさにつながっているとも思う。

アテネ空港に到着した。入国審査は人でごった返していた。

列に並びながら審査を受けると、幸いにも問題なく通過できた。バッグは機内持ち込みだったのでそのままゲートを出る。

ギリシャ、ここまで来るとヨーロッパに来たんだなという実感が改めて湧いてきた。

空港は例に漏れず郊外にある。電車かバスで移動しなければならない。

今回は電車を選んだ。発券機に向かおうとすると、西欧人らしき男が話しかけてきた。

「よう兄弟、今からアテネの中心街に行くのかい?

俺はもう帰国するからこの一日券は要らないんだ。よかったらやるよ」

詐欺かと警戒したが、男はカードを強引に渡すと金も請求せずに空港へ向かっていった。

もしかするとただの親切な人だったのか。無愛想な態度をとってしまって申し訳なかった。

お言葉に甘えてカードを改札の機械にかざすと、エラーが出て入れない。何度やってもダメだ。

なんだったんだあの男は。結局ただ余計なやり取りをしただけで、再び発券機で切符を購入することになった。

英語で表示を読み解くとやら回数券やら行き先指定やらで分かりにくい。とりあえず一番安くてそれっぽいのを買った。

改札を出て電車を待つが、乗り場が合っているのか自信がない。

アテネ空港は首都の玄関口とは思えないほど外に出ると案内が少なく過疎っている。英語表記も乏しくて分かりにくい。

近くにいた学生の集団に乗り場を確認すると、1人の女の子が愛想よく話しかけてくれた。

「ごめんなさい、私もスイスから旅行に来たばかりで分からないの。でもここで合っていると思うよ。

お兄さんは観光?日本人?私、日本に行ったことないけど好きよ」

電車が来るまでの30分ほど、どこへ行くのかやスイスの魅力について話を聞かせてもらった。

どうやら卒業旅行らしく、仲間と一緒にアテネ観光に来たそうだ。日本の学生と変わらないなと思った。

旅に出て3か月目になると英会話も少しマシになってきた。

20年前にヨーロッパを旅していた頃の感覚をようやく取り戻してきた気がする。やはりヨーロッパを旅するには英語が話せると全然違う。

電車が来たのでお礼を言って別の車両に乗った。

車内は思ったより混んでいて座れない。お世辞にも綺麗とは言えない古い車両で、外の景色は草原や工場が続く郊外の景色だ。

満員電車でスリに気をつけながらバッグを前で抱きかかえ、目的地まで1時間耐える。初日の移動は体力を消耗するがホテルまでの我慢だ。

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