サントリーニ空港に到着した。小さな売店があるだけのこぢんまりとした空港で、周辺には特に何もない。
世界的なリゾート地の玄関口にしてはあまりにも質素で、最初はここで合っているのか不安になるくらいだった。
サントリーニ島は正式名称をティラ島という。
紀元前16世紀頃に大噴火を起こした火山が形成したカルデラ地形の一部で、
噴火の際に火山灰の下に埋もれた都市遺跡・アクロティリ遺跡が1967年の発掘調査で発見され、
サントリーニが幻の大陸アトランティスではないかという説まで浮上した。歴史のロマンに溢れた島でもあるわけだ。
そして近年は「世界で最も理想的なハネムーン旅行先」として旅行雑誌に選出されるほどの知名度を誇っている。
断崖絶壁に立ち並ぶ真っ白な建物と青いドーム屋根のコントラスト、そして世界一とも言われる夕日。
日本人の間でも「ありきたりなハネムーンじゃつまらない」というカップルから年々人気が高まっている場所だ。
そういえば日本にもこの景色を再現した場所があると聞いたことがある。
高知県土佐市にある「ヴィラサントリーニ」だ。
横浪半島の高台から望む眺望とサントリーニ島フィラの景色がよく似ていることに着目して
2005年にオープンしたリゾートホテルで、
断崖に横穴を掘る伝統的な洞窟型建築やブルードームの屋根まで忠実に再現されているという。
わざわざ本物に来る人間からすれば不思議な話だが、
それだけこの島の景色が世界中の人を惹きつけているということだろう。
そんな憧れの島に、独身45歳のおじさんが一人で降り立った。
ハネムーンとはほど遠い、貧乏旅のクラゾウである

